JDreamの部屋検索のはじめ方
JST科学技術用語シソーラスって何?
掲載日:2019年6月28日
JST科学技術用語シソーラスとは、データ作成機関の国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)によって作成された科学技術用語辞書です。
JDreamⅢに収録された文献には、シソーラスに登録されたシソーラス用語が主題を表す検索用キーワードとして各文献に付与されます。シソーラス用語を検索語に使用することで、検索漏れを防ぎ、検索効率をUPさせることができますので、ぜひ検索にご利用ください。具体例を用いて、シソーラスの概要とメリットをご紹介します。
なぜ、思いついたキーワードの検索だけではだめなの?
同じ技術テーマについて書かれた文献でも著者によって様々な用語が使用されます。図1はエアコンについて書かれた文献の例ですが、”エアコン”、”エアコンディショナー”、”空調機”、”空調設備”といった様々な用語が著者によって使用されます。これらの文献を全て検索するためには、思いつく多数のエアコンに関する同義語を入力する必要があります。多くのケースでは同義語の入力が不足し、検索モレが生じてしまいます。
JDreamⅢはこの検索モレを防ぐためのデータ作成が行われています。具体例で紹介すると、図1で示されているように、エアコンについて書かれた文献にはシソーラス用語の"空気調和装置”が索引欄に付与されています。結果、”空気調和装置”をキーワードにして検索を行うと、様々な用語で書かれているエアコンに関する文献を網羅的に検索することができます。
では実際にシソーラス用語を使用した場合と使用しない場合の違いを確認してみました。図2はエアコンに関する思いつく同義語で検索した結果のL1と、シソーラス用語を含む検索を行った結果のL2では、ヒット件数が2万件相違があります。このように、JDreamⅢの検索ではシソーラス用語を使用した検索をお薦めします。
JST科学技術用語シソーラスとは
JST科学技術用語シソーラスを利用するメリットを理解いただけたと思いますが、シソーラス用語を利用するメリットはもう一つあります。
図3を見ますと図の中心に『アルコール飲料』が赤枠で表示されています。その上には『アルコール飲料』の意味を含むより広い概念を表す”飲料”が位置づけられています。”飲料”は『アルコール飲料』から見ると上位語と呼びます。次に『アルコール飲料』の下には、より具体的で狭い概念を表す”醸造酒”や”ビール”などの用語が位置づけされています。”ビール”は『アルコール飲料』から見ると下位語と呼びます。シソーラスはこの図3で表されるように用語の関係性がきっちりと決められています。
シソーラスを利用するメリット -下位語を含めた検索-
ではこの関係性が決められていることで、JDreamⅢでは下位語を含めた検索を行うことができます。
図4は『アルコール飲料』の例ですが、『アルコール飲料』と検索すると、”醸造酒”、”ビール”などの全ての下位語も含めた検索を行いますので、一般的なキーワード検索と異なり、シソーラス用語の検索はより網羅的な検索を行うことができます。
では実施に、下位語を含む検索が行われているか確認してみましょう。
図5に検索履歴を表していますが、検索L1はアルコール飲料のシソーラス用語検索(下位語を含む)、L2は醸造酒とビールのシソーラス用語検索(下位語を含む)、L3ではL1とL2の検索結果同士を絞り込んだ結果になります。L3の結果はL2の結果と同じになりますので、アルコール飲料の検索で下位語も含まれていることが確認いただけます。