導入事例福井県立図書館 様
JDreamⅢが地域に必要不可欠な専門家の知識向上をサポート
掲載日:2019年10月11日
- 福井県立図書館
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主任(司書)
井藤 久美 様主任(司書)
吉川 千鶴 様
導入効果
- 最新の科学技術に関する専門情報を県民に提供
- 医学分野から自然科学まで科学技術全分野の情報を一つの検索システムで提供
- 初めて利用する方でも、直感的な簡単操作で、利用者の”知りたい”に応える
キーワード
- クイックサーチ
- 可視化機能
- IPアドレス認証
地域を支え県民の役に立つ図書館を目指して、様々な施策を実施
福井県立図書館は蔵書数約130万冊、受入雑誌約1,000誌の規模を誇り、年間のべ60万人を超える来館者に対応している。
図書館では県民からの多様な要望に応えるため、「課題解決を支援する様々な資料収集と情報提供・発信の積極的実施」、「県内各図書館への支援・連携協力の推進」、「生涯学習と読書活動の推進」の3点を基本方針に掲げ、専門資料の充実、県内各機関との共同イベント開催、過ごしやすい空間での専門家による講演会やライブラリコンサートなど、県民の知的創造を向上させる取り組みを積極的に行っている。また、来館への利便性を高めるため、駅前から図書館への無料バスを運行しているのも大きな特長だ。
このように、県民のために開かれた図書館を目指されている福井県立図書館に、医学・科学技術資料の収集提供方法、JDreamⅢの活用方法について、話を伺った。
幅広く収録された国内外の専門情報で県民の多様な調査ニーズをカバー
図書館では年間で3万冊を超える資料を収集している。収集資料は、日本十進分類法に基づいた配架を行っているが、県民からのニーズが高い「子ども」、「ビジネス支援」、「医療健康」や図書館が担うべき分野である「郷土資料コレクション」の各テーマにおいては、専門コーナーを設け、関連資料をまとめて閲覧することができる。オンラインデータベースは仕事に役立つ情報という観点から、ビジネス関連の図書、年鑑、白書などを配架する“ビジネス支援コーナー”の一角で提供されている。
館内で利用できるオンラインデータベースはJDreamⅢがカバーする科学技術・医療分野以外にも、ニュース、企業情報、法律系分野などのデータベースが提供されている。導入は2008年(当時のサービスはJDreamⅡ)で、ビジネス支援コーナーを担当する井藤さんは「JDreamⅢは医療分野だけでなく自然科学分野の論文や学会誌を網羅的に収録しているため、利用者が必要とする多岐にわたる情報ニーズに一つのサービスで応えられることが評価できる」と話す。
一つのサービスで多様な分野の情報を提供できるメリットは福井県の地域特性にもあるという。福井県は全国的に有名な眼鏡、繊維などの製造業が盛んで、就業人口も多いが、企業規模としては中堅・中小組織で働く方の割合が高く、専門の担当者がいない、もしくはデータベースを導入していない機関も多い。専門情報を入手しにくい環境にいる方が、情報を求め図書館に来館されている。
井藤さんは「よく利用されるオンラインデータベースは国会図書館が提供するデジタル資料サービスや新聞系データベースだが、医療や科学技術の専門情報を求める看護士や技術者の方々が、JDreamⅢを利用されている。そのような方々向けに専門情報の収集を強化できれば良いが、公共図書館という役割上、一般利用者も利用できる、各分野の入門レベルの資料、もしくは専門家がまとめた科学的根拠に基づくガイドラインなどの資料を多く購入している」と話す。
図書館の収集方針もあり、JDreamⅢは提供資料を補完する上でも役立っているという。医療健康コーナーおよびレファレンスを担当する吉川さんは「専門分野の雑誌を網羅的に購入することはできない。県内の大学図書館と連携を行っているが、JDreamⅢが収録する幅広い医療・自然科学系論文情報を利用者に提供できることはありがたい」と話す。
初めてでも直感的に検索ができるクイックサーチ
館内で利用できるオンラインデータベースは一部サービスを除き、専用端末横にある利用サービス台帳にチェックするだけで、いつでも来館者は自由に利用することができる。ログイン方法にはIPアドレス認証方式が採用されており、ID・パスワードを入力すること無く、図書館が作成したサービスメニューからログインが可能だ。
吉川さんは「図書館ではJDreamⅢを自由に利用できる環境で提供しているため、利用者の利用傾向を詳細には把握できないが、マニュアルなどを参照せず、直感で利用されているように見受けられる。レファレンス担当者に操作方法などを質問されるケースはほとんどないので、結果には満足いただいていると思う。本年2月のクイックサーチのリニューアルは利用者にとって、今まで以上に直感的に利用でき、絞り込みも容易になったので、大変、便利になったと感じている。」と評価する。
一方、利用者から相談があった場合には、レファレンス担当者と一緒に相談しながら検索を進めるとのこと。その際、利用者の知りたいと考えている内容の文献がヒットするので、調査結果には満足いただけるが、利用者から論文全文の入手を要望されることが多いという。吉川さんは「公共図書館では対応できないので、国立国会図書館や、県内外の大学図書館の複写サービスを紹介することになる。将来的には全文入手も含めたサービス提供を検討して欲しい。全文を含むサービスが難しい場合には、回答表示結果に無料公開されているオープンデータであることが確認できるマークを付与して欲しい。そうすると利用者へ説明がつきやすい」と今後の改善要望を挙げられた。
知りたい内容を深堀したい利用者のニーズに応える可視化機能
直感的な操作で、専門情報を求める利用者ニーズに応えることができるJDreamⅢ。図書館が抱える課題は、このメリットを、充分PRできていないことだ。井藤さんは「看護士や産業支援センター担当者が行うイベント時に図書館担当者も参加し、JDreamⅢや関連図書の提供について案内を行っているが、まだまだ、利用者向けのPRは充分ではないと考えている。」と話す。
過去にはオンラインデータベース全般のショートセミナーを開催したこともあったが、最近は行っていないとのこと。吉川さんは「イベント参加者に、なぜこのイベントに参加したかということをアンケートで確認すると、図書館のチラシやポスターで確認したという回答が多かった。例えば、医療健康コーナーに来られた利用者に、操作マニュアル ポケットガイドの最初のページに記載されているような、“JDreamⅢを利用すると、このような課題を解決する情報が入手できる”といったことが書いているチラシを作成し、コーナー周辺に置いておくと、利用したい方が増えるのではないか」と新たなPR方法のアイデアを話す。
最後に紹介いただいたのは、JDreamⅢの付加価値機能を活用するアイデアだ。図書館では、定期的にトレンドに合わせたイベントを企画されているが、インタビュー時に企画されていたのが、”仕事に活かすデータ分析”だ。関連書籍をまとめて展示した当企画は盛況で、来館者の関心も高い。企画の反響結果に表された”情報を分析し、内容を深堀したい”という利用者の新しいニーズに対して、井藤さんは「従来の検索サービスに加え、可視化機能は、利用者への新しいアピールポイントになる」と話す。
多様な情報を求める図書館利用者は、JDreamⅢが提供する国内外の幅広い科学技術情報から、参考となる情報を入手してきた。可視化やIPC付与の機能は、利用者が求める新しいニーズを満足させ、公共図書館の価値を増加させることになるだろう。
ご活用いただいているサービス・機能
IPアドレス認証
お客様のIPアドレスを認証項目とするため、ID/パスワード不要でログイン可能となる認証方法のこと。JDreamⅢはID/パスワード、IPアドレスという2種類の認証方法を提供。併用も可能。
- JDreamⅢ検索サービス(全てのプラン)の契約でご利用いただけます。
クイックサーチ
検索語を自動展開する「関連語検索」や入力を補助する「サジェスト機能」によって、簡単入力で最適検索が可能な検索モード。検索結果を簡単に絞り込める「絞り込み機能」も搭載。直感的操作での検索が可能。
- JDreamⅢ検索サービス(全てのプラン)の契約でご利用いただけます。
可視化機能
検索結果を可視化(グラフ化)すること。検索結果全体の俯瞰や、経年による変化から、気になるポイントに絞り込むことが可能。
- JDreamⅢ検索サービス(全てのプラン)の契約でご利用いただけます。