アドバンスドサーチでは、集合を保持したままファイルを切り替えて検索を続けられます。
「花粉症」についてJMEDPlusとMEDLINEを対象に検索したい場合、花粉症という言葉はJST系ファイルではシソーラス用語となっているため漏れのない検索ができますが、MEDLINEでは花粉症というMeSH(Medical Subject Headings:MEDLINE用統制語彙集)用語は存在しないため、他の用語で検索する必要があります。それぞれのファイルに適した検索式を使うことで精度の高い検索が可能です。
個々のファイルで使用する検索式が異なるとき、渡り検索をご活用ください。
なおMEDLINEは企業向け固定プランではオプションサービスとなっています。
検索例:「花粉症」というテーマを、JMEDPlusとMEDLINEでシソーラス用語を活用し網羅的に検索する
(1)一つ目のファイルで検索を実行します
(2)二つ目のファイルで検索を実行します
(3)複数のファイルで共通して使える検索式を実行するためマルチファイルに切り替えます
JDreamⅢでは、L番号を指定するとそのL番号に含まれるレコードを指定したことになります。入力したL番号と同じ式を実行するわけではありませんので、L番号を作成したファイルを含むマルチファイル検索の際にどちらかのファイルで使えない検索式で作成したL番号であっても指定することができます。上記例では、MEDLINE+JMEDPlusのマルチファイルでは、/CTMJ、/CWMJが使用できません。
物質索引の行われていないレコードに対して(「E.索引での検索編>5.物質索引」参照)、ファイル切り替え検索を使った化学物質名での網羅的な検索方法を紹介します。
検索例:ビタミンCについて体系名、慣用名を含め広く検索する
(1)まず、物質名に対応する「日化辞番号」を特定します。JSTシソーラスブラウザ(「F.検索支援機能(アドバンストサーチ)編>1.JSTシソーラスブラウザ」参照)で物質名で検索するか、無料のJCHEMファイル(「G.収録ファイル編>2.JSTが作成するその他のデータベース」参照)で「化学物質名/CN」や「化学物質名/AL」等でレコードを検索してください。複数の物質情報がヒットする場合は、回答表示を行い確認します。
(2)日化辞番号が特定できたら、JCHEMファイルで「日化辞番号/SN」を実行し、検索したいファイルに変更後、頻度分析画面を起動します。
(3)「化学物質名(CN)」で頻度分析を実行します。
(4)ビタミンCを含む化学物質名の別名(慣用名など)が一覧となって出力されます。「頻度分析結果一覧をすべて表示」ボタンをクリックし表示された画面で「全結果の検索式を追加」をクリックすると、検索語候補エリアに抽出データすべてがコピーされます。『先頭に「LX AND」をつける』のチェックが外れていることを確認の上、「検索条件セット」ボタンをクリックします。
(5)JSTPlusプルダウンメニューから選び、ファイルを変更します。
(6)検索式入力ボックスに、「ビタミンC」を含むビタミンCの別名全てのOR検索が、反映されました。/CNは物質索引がされているレコードのみになるため広く検索するには削除するか、/ALに変更して検索してください。
(7)JSTPlusファイル全体に対し、ビタミンCに関連する文献を網羅的に検索した結果です。
◆補足
(5)で検索式入力ボックスの入力可能文字数の上限(6,144バイト、全角2,048文字)を超える場合は、本機能はご利用できません。
また、数文字程度の別名が含まれている場合は、キーワード検索により不要な文献を多くヒットしてしまう場合がありますので、不要な文献が多い場合は、該当の物質名を外して検索を行ってください。
国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)が作成・提供するJ-GLOBAL 「化学物質を探す」からの「JDreamⅢアップロードファイル作成」機能から連動して検索が可能です。J-GLOBAL 「化学物質を探す」についてはG2.1.3 を参照ください。